製品紹介product

ターボファン(Turbo Fans)

構造

羽根車は10〜20数枚の後ろ向きの小羽根を持ち、高速運転にも耐えうるように鋳鋼、または、鋳鉄製の羽根車ハブに鋲留めされた主円板と、円錐型の側板で挿み鋲留め、または、溶接により強固に組立てられた構造です。これらはすべて動釣合試験によって不釣合を除去し、振動発生を防止します。

ケーシングは十分な厚みをもった板材を主に構成され、機械的、または、外的条件に対し強度をさらに大にする為、要所に形鋼をもって補強し、振動、または、外力による歪をより小さくするように配慮しています。

軸受は一般にボール、または、ローラーベアリングを使用しますが、これらはすべて高い寿命係数を採っており条件によっては平軸受を使用します。

潤滑は、普通グリースによりますがその時の条件によって油浴式、強制給油式等適宜に使い分けており、その冷却方法も自然空冷式、強制空冷式、水冷式等があります。

これらもすべてそのファンの使用条件等から、当社の過去の実績を参考に決定しています。

ターボファン

特徴および用途

ターボファンは、風圧0.25~10kPa位迄の、比較的高圧の場合に適した送風機で、その用途は、ボイラ用強圧送風機・誘引通風機・二次送風機・換気通風機・暖冷房用送風機・鉱山主通風機・ガス圧送用送風機・空気輸送用送風機等広範囲にわたり、現在最も多くの用途に使用されている機種であります。

本機種の特徴として遠心送風機中では最も効率が良く、音響も少なく、高圧大容量の送排風をして後述の多翼送風機に於けるような風圧制限がほとんどありません。又、所要動力も少なく後述のインレットベーンコントロール装置を併用すれば部分負荷に於いても、特にすぐれた効果を示します。

さらに、風圧の変動に対して風量の変化も少ないので、並列運転にも適し、風量の増加に対する所要動力の増加率も、他の遠心送風に比較して少ない特性をもっています。

ターボファン

インレットベーンコントロール

インレットベーン・コントロールとは、写真の如く送風機吸込口にリンク等で互に連動して開閉する可動ガイドベーンを設けて流入気流に羽根車回転と同方向の旋回を与え、送風機の圧力上昇並びに入力を減少させて風量を制御する方法です。

送風機の圧力上昇及び入力は(U2Cu2-U1Cu1)に比例しますが(第7図速度線図参照)羽根車回転と同方向の旋回を与えることはCu1を大きくすることになり従って旋回の程度をベーンの開閉によって加減すれば圧力上昇及び入力を制御できる方法です。

第8図は他の制御法と比較した場合の有利さを示したものであり、下記のような多くの長所を持っていることが分かります。定速電動機を使用するに拘らずダンパ法に対しては全作動範囲で、速度調整法に比較しても、特定の範囲(規定風量の100%〜70%位)では経済的に運転出来ます。特に(C)と併用すれば、更に有利になります。構造が簡単で設備費が低廉で済みます。操作が簡単で遠隔操作装置、あるいは自動装置と容易に連結することが出来、かつ操作してから効果が現れる迄の時間的遅れが全くありませんから自動制御が容易になります。

インレットベーンコントロール

第7図速度線図

インレットベーンコントロール

第8図

第9図は大阪送風機で採用している構造の一例を示します。 独特の球面リンク機構を使用し摺動部は総て面接触とし要部には十分潤滑を行い又潤滑困難なる個所にはオイルレスメタルを用い操作トルクを最小限に止めると共に磨耗を極力減少し長期の使用に耐え、好評を得ております。図示のものは内側駆動式でありますが、機構が熱気流や磨耗域は腐食性のガスに曝される場合には機構を外側に移した外側駆動式を使用します。

インレットベーンコントロール

第9図

第10図の曲線は便宜上規定風量及びその点の風圧、送風機入力を100とし、インレットベーンの各開度に於ける性能の変化を表示したものです。本図でも明らかな通り、インレットベーンの効果が表れて来るのは条件等に依っても異なりますが、ベーン開度60から70〜80度位からになりますので普通ベーンの作動範囲は0度から70〜80度位になって居ります。大容量の送風機、部分負荷の程度または頻度の多い送風機あるいは消費電力に制約がある場合等には広く御使用をお勧め致します。

インレットベーンコントロール

第10図

多翼送風機(Multi-Blade Fan)

構造

羽根車は半径方向に浅く軸方向に長い前曲した数十枚の小羽根を持ち両端は主円板と側板に鋲締め、または、溶接により組立てられています。側板とボスとは数本の控えボルトで固定する強固な構造となっており、完全な動釣合試験と相俟って、高速回転にも十分耐えることが出来ます。

ケーシングは十分な厚みをもった板材を主に構成され、機械的、または、外的条件に対し形鋼で十分な補強を施し永年のご使用に耐えるよう考慮を払っています。

軸受けは、一般にボール、または、ローラーベアリングを使用しますが、これらはすべて高い寿命係数を持っております。

このほか耐熱性(max約1000°C)耐薬品性(耐酸性)等を考慮し特殊材質(ステンレス、ハステロイ、チタン、塩ビあるいは高張力鋼板等)または、特殊構造(保温二重ケーシング等)のファンも数多く設計製作の実績を持っています。

ターボファン

特徴および用途

多翼送風機は、風圧0.1kPa以上1.5kPc位迄の比較的低風圧に適し別名シロッコファンとも呼ばれます。

その用途は建物、船舶等の通風換気用、暖冷房、空気調和用、乾燥用、鉱山換気用、ボイラの強圧、および誘引通風用、炉用高温ガス循環ファン等、広い用途をもっています。

本機種の特徴としては、他の遠心型送風機に比較して多少効率が劣りますが同一風圧に対して風速が小さくて済みますので、送風機の形態が最も小さくなります。

また、風量に対する風圧の変化が少ないので、多数の吹出口、または、吸込口で吸排気する装置では、その一部を開閉しても他に及ぼす影響が少ない利点があります。

しかし、抵抗が減少して風量が増加すると、所要軸動力が急激に増える傾向がありますので、その使用上、特に注意を要します。

遠心式送風機中、最も多く陸用設備に使用されている機種で、一般にVベルト掛にて運転されていますが、直結駆動型あるいは電動機軸直動形もあります。

ターボファン